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THE TOURNAMENT

    シングルエリミネーション・ダブルエリミネーションとは?:仕組み・違い・活用シーンを徹底解説

    読了時間 約15分

    シングルエリミネーションとは

    シングルエリミネーション(Single Elimination)は、1度でも負けたらトーナメントから脱落する勝ち抜き戦形式です。英語では「Knockout Tournament」とも呼ばれます。

    FIFAワールドカップのノックアウトステージ、テニスのグランドスラム、NBAプレーオフなど、世界中のスポーツ大会で最も広く採用されている形式です。シンプルで分かりやすく、少ない試合数で優勝者を決定できることが最大の特徴です。

    シングルエリミネーションの仕組み

    シングルエリミネーションでは、各試合の勝者が次のラウンドに進み、敗者はその時点で大会から脱落します。最後まで勝ち残った1人(または1チーム)が優勝となります。

    • 1回戦で全参加者がペアになって対戦
    • 勝者は次のラウンドに進出、敗者は脱落
    • これを繰り返し、最後の1人が優勝者となる
    • 参加者が2のべき乗(8、16、32など)でない場合、一部にシードが設定される

    具体例:4人トーナメントの場合

    4人の参加者A〜Dでシングルエリミネーショントーナメントを行う例を見てみましょう。1回戦でA vs B、C vs Dが行われ、勝者同士(AとC)が決勝で対戦します。合計3試合で優勝者が決まります。

    ABCDA

    試合数の計算

    シングルエリミネーションの試合数は非常にシンプルです。

    計算式: 試合数 = 参加者数 - 1

    優勝者以外の全員が1回ずつ負けて脱落するため、この計算になります。

    参加者数試合数
    8人7試合
    16人15試合
    32人31試合
    64人63試合
    128人127試合

    シードの仕組み

    参加者数が2のべき乗(8、16、32など)でない場合、「シード」という仕組みが使われます。シード選手は1回戦を免除され、2回戦から参加します。

    例えば12人の大会では、4人がシード(1回戦免除)となり、残り8人が1回戦を戦います。1回戦の勝者4人とシード4人で2回戦を行い、以降は通常通り進行します。

    シードは通常、過去の実績や予選の成績が良い選手に与えられます。

    シングルエリミネーションのメリット・デメリット

    シングルエリミネーションには以下のようなメリットとデメリットがあります。

    メリット

    • 試合数が少なく、短時間で優勝者を決定できる
    • ルールがシンプルで、誰でも理解しやすい
    • 運営の負担が少ない
    • 「負けたら終わり」の緊張感が盛り上がりを生む
    • 決勝戦に向けて盛り上がりが高まる構造

    デメリット

    • くじ運の影響が大きい(強豪同士が初戦で当たる可能性)
    • 1回のミスや不調で即敗退となる
    • 実力2位の選手が初戦で1位と当たると最下位になる可能性
    • 順位が大雑把(64人でも1,2,3,5,9,17,33位のみ)
    • 参加者によっては1試合しかできない

    ダブルエリミネーションとは

    ダブルエリミネーション(Double Elimination)は、2回負けるまでトーナメントから脱落しない方式です。1回負けても「敗者復活」のチャンスがあり、そこで勝ち続ければ優勝の可能性が残ります。

    格闘ゲームの世界大会「EVO」をはじめ、eスポーツの大会で広く採用されています。シングルエリミネーションの「運要素」を軽減し、より実力が反映されやすい形式として評価されています。

    ダブルエリミネーションの仕組み

    ダブルエリミネーションでは、トーナメントが2つのブラケット(山)に分かれています。

    ウィナーズブラケット(勝者側)

    ウィナーズブラケット(Winners Bracket)は、まだ1度も負けていない選手が戦うトーナメントです。「アッパーブラケット」とも呼ばれます。

    ここで負けると、ルーザーズブラケットに移動します。まだ1敗なので、大会からは脱落しません。

    ルーザーズブラケット(敗者側)

    ルーザーズブラケット(Losers Bracket)は、1敗した選手が集まって戦うトーナメントです。「ローワーブラケット」とも呼ばれます。

    ルーザーズブラケットでは、ウィナーズから落ちてきた選手と、ルーザーズで勝ち上がってきた選手が対戦します。ここで負けると2敗となり、大会から脱落します。

    グランドファイナル

    グランドファイナル(Grand Finals)は、ウィナーズブラケットの優勝者とルーザーズブラケットの優勝者が戦う最終決戦です。

    ウィナーズ側の選手はまだ0敗なので、ここで1回負けてもまだ1敗です。一方、ルーザーズ側の選手はすでに1敗しているため、負けると2敗で脱落となります。

    この公平性を保つため、多くの大会では「グランドファイナルリセット」というルールが採用されています。

    グランドファイナルリセットとは

    グランドファイナルリセット(Bracket Reset)は、ルーザーズ側の選手がグランドファイナルで勝った場合に発生します。

    この時点で両者が1敗ずつとなり、「リセット」されます。リセット後、もう1試合(真のグランドファイナル)を行い、最終的な優勝者を決定します。

    つまり、ルーザーズから勝ち上がった選手が優勝するには、グランドファイナルで2勝する必要があります。ウィナーズ側は1勝で優勝できるため、無敗で勝ち上がったアドバンテージが保たれます。

    具体例:4人ダブルエリミネーションの場合

    4人の参加者A〜Dでダブルエリミネーショントーナメントを行う例を見てみましょう。

    勝者側(ウィナーズ): A vs BでAが勝ち、C vs DでCが勝ちます。次にA vs CでAが勝ち、Aが勝者側の優勝者となります。

    敗者側(ルーザーズ): 1回戦で負けたBとDが対戦し、Bが勝ちます(D脱落)。次に、勝者側決勝で負けたCとBが対戦し、Cが勝ちます(B脱落)。Cが敗者側の優勝者となります。

    グランドファイナル: 勝者側優勝のAと敗者側優勝のCが最終決戦を行います。

    ウィナーズブラケット(勝者側)
    ABCDA
    ルーザーズブラケット(敗者側)
    BDCC
    グランドファイナル
    AC

    試合数の計算

    ダブルエリミネーションの試合数は、シングルエリミネーションのおよそ2倍になります。

    計算式: 試合数 = 参加者数 × 2 - 2(または - 1)

    最後の「-2」か「-1」は、グランドファイナルリセットが発生するかどうかで変わります。

    参加者数試合数(リセットなし)試合数(リセットあり)
    8人14試合15試合
    16人30試合31試合
    32人62試合63試合
    64人126試合127試合

    ダブルエリミネーションのメリット・デメリット

    ダブルエリミネーションには以下のようなメリットとデメリットがあります。

    メリット

    • 1回負けても敗者復活のチャンスがある
    • くじ運の影響が軽減され、実力が順位に反映されやすい
    • より細かい順位が付く(64人で1,2,3,4,5,7,9,13,17,25,33,49位)
    • 参加者全員が最低2試合は経験できる
    • 敗者復活からの優勝というドラマが生まれやすい

    デメリット

    • 試合数が多く、大会の所要時間が長くなる
    • ルールが複雑で、初心者には分かりにくい
    • 運営の負担が大きい
    • グランドファイナルリセットのルールが分かりにくい
    • 時間の都合でリセットなしになることも(その場合は完全なダブルエリミネーションではない)

    シングルエリミネーションとダブルエリミネーションの比較

    2つの方式を比較すると、以下のような違いがあります。

    項目シングルダブル
    敗退条件1敗で脱落2敗で脱落
    試合数(16人)15試合30〜31試合
    所要時間短い長い
    ルールの複雑さシンプル複雑
    運の影響大きい小さい
    実力の反映やや低い高い
    順位の細かさ粗い細かい
    運営の手間少ない多い

    活用シーン

    シングルエリミネーションとダブルエリミネーションは、それぞれ異なる場面で活用されています。

    格闘ゲーム

    格闘ゲームの大会では、ダブルエリミネーションが標準的な形式として定着しています。世界最大の格闘ゲーム大会「EVO(Evolution Championship Series)」をはじめ、ほとんどの主要大会でダブルエリミネーションが採用されています。

    EVOでは毎年数千人規模の参加者が集まり、ストリートファイター、鉄拳、ギルティギアなどの競技が行われています。1回負けても敗者復活のチャンスがあるため、実力者が順当に上位に残りやすい形式として支持されています。

    eスポーツ

    eスポーツでは大会の規模や競技によって使い分けられています。

    Dota 2の世界大会「The International」ではダブルエリミネーションが採用されています(ただしグランドファイナルリセットなし)。一方、League of Legendsの「Worlds」ではノックアウトステージでシングルエリミネーションが使用されています。

    スポーツ

    伝統的なスポーツでは、シングルエリミネーションが主流です。

    FIFAワールドカップ(ノックアウトステージ)、ウィンブルドンなどテニスのグランドスラム、NCAAバスケットボールトーナメント(マーチマッドネス)など、多くの大会でシングルエリミネーションが採用されています。ただし、FIFAワールドカップのように3位決定戦が行われることもあります。

    MLBプレーオフやNBAプレーオフなど、一部の大会では「ベストオブ」形式(例:7戦4勝制)が採用され、1試合の結果だけで脱落しない仕組みになっています。

    よくある質問(FAQ)

    どちらの形式を選べばよいですか?

    大会の目的と制約に応じて選択します。時間が限られている場合や、参加者が多い場合はシングルエリミネーションが適しています。公平性を重視し、実力を正確に反映したい場合はダブルエリミネーションが適しています。

    バイ(不戦勝)とは何ですか?

    参加者数が2のべき乗でない場合、一部の選手は1回戦で対戦相手がいない状態になります。この選手は「バイ(Bye)」として自動的に次のラウンドに進みます。これは実質的にシードと同じ意味で使われることもあります。

    3位決定戦は必要ですか?

    シングルエリミネーションでは、準決勝で敗れた2人が同率3位となります。3位を1人に決めたい場合は、別途3位決定戦を行います。ダブルエリミネーションでは、ルーザーズファイナルの敗者が3位、勝者が2位(または優勝)となるため、自然と順位が決まります。

    ダブルエリミネーションはどのくらい時間がかかりますか?

    試合数がシングルエリミネーションの約2倍になるため、単純計算では2倍の時間がかかります。ただし、ウィナーズとルーザーズを並行して進行できる場合は、実際の所要時間はそこまで増えないこともあります。

    グランドファイナルリセットがない大会もありますか?

    はい、時間の制約などから、リセットなしで運営される大会もあります。この場合、ウィナーズ側の「無敗のアドバンテージ」がなくなるため、厳密にはダブルエリミネーションとは言えませんが、実務的な理由から採用されることがあります。

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